2016年3月31日木曜日
いつまで続くの?この風習
こんにちは。カラリストの江波戸大介です。
今回は僕が個人的にどうしても腑に落ちないことについて少々お話しさせていただきます。
毎年毎年その時期がやってくると皆揃って髪を黒または黒に近いダークトーンにします。
そのイベントは就活!
もちろん来店される皆さんの人生がかかっているわけですから、お客様御自身もカラリストである僕も超不本意ながらの黒く(もしくは黒に近い明るさ)せざるを得ないわけです。これはヘアカラリストの本質から極めて逸脱したとても悲しい行為だと思わずにはいられません。
僕達の仕事は美しいヘアカラーによってよりその人が魅力的にして差し上げること。
一社会人として節度あるヘアカラーで自身を美しく表現する行為の何がいけないのでしょうか?
ただ一つ
皆揃って黒髪、揃いのリクルートスーツ
それにはきっとこんな理由があるんじゃないかなと
色には赤、青、黄、橙....といろいろあってそれぞれに色の持つ固有の効果があります。
例えば、赤~負けず嫌い、目立ちたがり、興奮、情熱.....
橙~明るい、自分に自信がある、活力、好奇心......
緑~努力家、現実主義、穏やか、癒し.....
などなど。
つまり皆さんが統一した雰囲気じゃないと目に飛び込んでくる色の影響で皆さんのことを自分の組織に相応しいかどうかという判断に影響を及ぼすからなのかな?
だから、揃いの黒にしなさいという風潮がずーっっと続いているわけなのかな。
とでも言って自分を納得でもさせないと、とてもじゃないけど『色でその人を魅力的に』するプロのカラリストとして黒は作れません。
組織で働く女性が魅力的で何がいけないのか?
様々な自身の美の表現方法や多様化しているライフスタイルが確立しているこの2000年代にヘアカラーをするなとは時代錯誤もいいところ。というのが黒染め文化に対する個人的な思いです。
そして、黒くすることへの最大の懸念要素の一つが『黒くした髪を明るくするにはリスクを伴う』ということです。
所謂黒く見えるレベルの色素は基本的に脱色脱染剤つまりブリーチの類いを使用しなければ明るくできないケースが多々あります。
例えば、目指す仕上がりの明度が7Lvだとしたら地毛の場合であれば7Lvのカラー剤を使用すれば基本的には狙い通りにできますが、一度黒くしてしまった髪の場合は7Lvという控え目な明るさにするだけなのに脱色脱染剤を使用しなければいけません。
ここで決定的な違いは髪にかかる負担です。当然後者の方が圧倒的に負担がかかります。
その他にも、ヘアカラーは根元から毛先までの中に様々な過去のヘアカラーの履歴があります。それによっては黒くが全く取れない、部分的に異常に明るいなどヘアカラー履歴によっては髪にかかる負担以外にも時間的な負担もかかります。
僕達プロのヘアカラーをより美しいものにするためには、必要以上に髪に負担をかけない、極力健康的なコンディションを維持しながらデザインを創る、という当たり前の意識があります。
ですから、やりたくもなかった黒を取るために傷ませる必要などなかった髪を傷ませるという『髪を黒くしてきなさい』的な文化を変えていくという使命が僕達カラリストにはあります。
今年も様々な活動があるかもしれませんが、この問題にも取り組んでいきたいと思います。
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