2016年7月27日水曜日

若冲展へ~後篇~

先日(といってもずいぶん前ですが)、投稿しました

若冲展~前篇~の続きです。

ジメジメした梅雨もようやく明けて、

爽やかに文化活動。

カラリストの高橋拓也です。


後篇では、若冲の作品を少し紹介します。


僕が一番見入ってしまった作品が、

これです。




こちらは、動植綵絵の内、「群鶏図」という作品です。

これだけの鶏を一つ一つ丁寧に描く、その集中力がスゴイ。

どの鶏も一匹として同じ表情、同じポーズはありません。

鶏たちのその躍動感に思わず時を忘れて見入ってしまう迫力です。



この絵からもわかる通り、若冲の描く鶏は、本当に細かいところまで繊細です。

羽の色、とさかの模様など、

ごくごく細い絵筆で、少しずつ色を重ねながら、陰影と質感まで表現します。

実際に数十羽の鶏を庭で飼ってまで、目の前の実物の写生にこだわったそうです。

















こちらは「枡目画」と呼ばれる表現方法で描かれています。


全体を数万もの枡の形に区切って枡目ごとに彩色する、とても特異なものです。

まるで、コンピューターの画面を見るような、ピクセルアートのような表現です。

もしも、同じ時代に生きていたなら、

描くところを見学させていただきたい。

きっと、ワクワクするような時間なんだろうなと妄想しますww。


この絵も含め、宇多田ヒカルさんのSAKURAドロップスのPVでは、

若冲の絵がいたるところでアニメーションされて登場します。

懐かしいですね。


他にも、様々なアーティストや表現するものに影響を与え続けている、伊藤若冲。

彼から学ぶ色に関する自由かつ繊細な表現は、

僕もカラリストとして見習っていきたいところです。

若冲の色表現の技法や発想を、ヘアカラーにも応用するべく、

ただいま試行錯誤中です!!!

いつ完成を見るか、自分でもわかりませんが、

若冲も生涯絵を描き続けていたように、

僕も時間をかけてでも、追究していきたいと思います。


imaii colorist 高橋拓也

written by 髙橋拓也 
http://www.imaii.com/stuffimaii/takuya.takahashi.html

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