2016年8月14日日曜日

見える色と見えない色

カラリストの高橋拓也です。

突然ですが、日ごろから、色について興味があり、いろいろ勉強しています。

とりわけ、人間に与える影響については、不思議だなーといつも思っています。

先日、うちの有村社長に「色の力」(ジャン=ガブリエル・コース著)という本を紹介してもらいました。あらゆる分野に影響を与える色の力について書かれた本です。

ジャン=ガブリエル・コース
吉田良子 訳
早速、購入して読んでみました。

いろいろな分野での研究やその土地で築かれた歴史、文化や消費行動など、人間活動において色の果たす役割やその影響がたくさん書かれています。

色を生業にしている者としては、とても興味深く、また勉強になります。

その中にあった内容から、面白いなーと個人的に思い、自分でも調べたり、考えたことを、徒然なるままに、紹介しようと思います。

よろしくお願いします。


さて、皆さんは何種類の「白」を見分けることができますか?

雪の白

繭の白

美しい白髪の白
雪の白、繭の白、美しい白髪の白、、、色々ありますね。

そして、これらを表現する、日本の伝統色といわれるものも、いくつかあります。

胡粉色、月白、卯の花色、乳白色など。

よく見てみると、真っ白ではないですが、限りなく白に近い色です。
(どんな色かは、想像にお任せします(^^)はい、優しくないですね(笑))


しかし、世界に目を向けてみると、日本人よりもはるかに繊細に多くの白を見分けることができる人たちがいます。

それが、雪に囲まれた真っ白な世界で暮らしているエスキモーやイヌイットの人たちです。

彼らの言語の中には、白を意味する単語が25個以上もあるそうです。驚きです。

北極圏で生きる彼らにとって、雪と切り離せない生活の中で、白色に対する知覚が研ぎ澄まされたことの証なのでしょう。


例えばこんな場面。(想像してみます)

ある日、狩りに出かけました。

集落から少し離れた場所で、獲物を捕らえることに成功。

しかし、一人では大きくて運べません。

仲間の待つところへ戻り、彼らを再び現場まで道案内します。

『「○○な白」のところを西に曲がって、「△△な白」のところを北に進み、
「◇◇な白」のところで仕留めたから、そこまで行こう。』


見渡す限り真っ白な雪の世界で、「○○な白」といった微妙な白の違いを表現する単語がたくさんあったなら、

非常にスムーズに伝えられるし、とてもわかりやすいと思うんです。

大げさに言えば、生きていくためには、この微妙な違いを表現することは、必要だったってことです


その土地や文化、それに適するように進化してきた人種それぞれに対して、

色を認識する感覚が異なってくるということは、ある意味、当たり前のことかもしれません。

しかし、自分が見えていない色まで見えている人がいる、

その微妙な違いを感じることができる人がいるということは、

とても不思議だし、面白いなー。


といったことに、僕はまた思いを巡らすのであります。



今回はここまでにします。

またお会いしましょう。カラリスト・高橋拓也でした。

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